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留学は必ず自分のためになります。英語は世界共通語なので、留学をして自信をつけて英語を話しましょう。

長年お年寄りを診てきて身体拘束の弊害の大きさを実感したからです。 ほかの病院で縛られていたお年寄りたち(その多くが認知症の症状を呈している人たちでしたが)を縛らずに看護を続けると、恐怖、不安、怯えがなくなり、安心するせいか笑顔も増え、「問題行動」が減り、元気を回復していくという姿を多く目にしたのです。
けれどもそのお年寄りたちは、認知症の程度は同じでも縛られた経験のないお年寄りにくらべると、すべてではないですが、ある割合で予後が悪く、感染症などにも弱くて、私たちの予測よりも早く亡くなります。 それは、縛られつづけているうちに、回復できないような致命的なダメージを受けてしまっていたからではないか。
私たちはそう考えたのです。 本格的に身体拘束廃止に取り組んでいくと、こうした体験はさらに多くなります。
縛られつづけていると、食欲も低下し、筋肉が萎縮し、関節が拘縮し、心肺機能が低下し、全身が衰弱して感染症も起こしやすくなるのです。 そして何よりも、「縛られた」という精神的なダメージが大きく、そういったことが相乗的に作用して致命的な変化が生じ、縛られる以前の状態には回復しないという確信をもったのです。

こういう身体拘束の悪循環を示したのが、次ページの「抑制死の考え方」という図です。 患者さんは縛られたからといってすぐに死亡するわけではなく、しだいに全身が衰弱し、抑制死緒も.これること一拉よる餞篭球抑制死」~感染症などにかかって亡くなっていくケースがほとんどです。
ですから、身体拘束の弊害についてきちんと認識し、患者の様子を注意深く観察していないと、衰弱していることをつい見過ごしてしまいます。 身体拘束をしていなくてもお年寄りは肺炎にかかることが多いので、必ずしも因果関係がはっきりしているわけではありません。
けれども私たち専門家は、その可能性が強いことを長年の経験から確信し、これを「慢性的抑制死」と名づけました。 この話を、私はこれまでいろいろなところで講演を含めて一〇〇〇回以上も話してきましたけれども、反論されたことは一度もありません。
皆、じつは体験から感じていることなのです。 とくに看護職はそうです。
一方、身体拘束から逃れようとして紐が首に巻きついて死亡したという事故が、北米のナーシングホームでは多く報告されてきました。 わが国ではあまり聞きませんが、それはこれまで隠されてきたからではないかと思います。
平成十年五月に、新潟県の国立療養所S病院で、ベッドに拘束されたまま嘔吐し窒息死したケースがありました。 まさに抑制死そのものであり、「急性抑制死」と呼ぶべきものです。

これは、身体拘束の是非が議論されるようになったからこそ明らかになったスキャンダルです。 最近、千葉県の精神科病院でもノロウイルスの治療中に同様の事故が起きています。
病院への入院は、本当はお年寄りたちも望んでいません。 当然ですよね。
その望んでいない不安に満ちた日々のなかで、もっとも害となるのは「お年寄りを縛ること」である、そう考えるに至ったのです。 病院では安全や治療という名の下でお年寄りから多くのものを奪い、ときには致命的な害をももたらしている。
だから、お年寄りの医療や看護において身体拘束廃止は絶対に必要である、そう考え、縛らなくてもよい方法を模索しました。 そしてまず、身体拘束が必要となるような状況や治療の機会を減らすことが重要だと考えたのです。
そのためにも「五つの基本的ケア」がとても大事なのです。 起きる(寝かせきり予防)、食べる、排泄、清潔、アクティビティ(よい刺激)の五つですね。
上川病院はもともと身体拘束が少なかったという事情もあって、取り組みやすかったのでしょう。 定額制の医療になる前、まだ介護職の配置が少なかったころには付き添い婦さんが院内にいましたが、その彼女たちがときどき患者を縛ったとか、点滴のときにやむをえなく縛っていたとか、そうしたことはありましたが、数が少なかったのです。
医者も二十四時間点滴のように縛らなくてはできないようなオーダーはしていませんでした。 私はこれまで病院や施設における身体拘束廃止の運動に取り組んできたのですが、この療養病床問題をきっかけに、再び縛りつけられるお年寄りが増えるのではないかと危倶しています。
そうなったとき、誰がその責任をとるのでしょうか。 介護保険制度のなかに、緊急時の三要件(切迫性、非代替性、一時性)を満たす例外以外の身体拘束は禁止するという内容を入れると決定したのは国なんですよ。

それをまた国みずからが、自分たちの手で縛られるお年寄りを増やそうとしている。 昔のように、人手が足りない、治療ができないなどの言い訳を並べ、縛って当たり前の医療へと再び戻らせようとしている。
この一貫性のなさ、無責任さは、いったいどういうことだろう。 また生き地獄をつくるつもりか。
私にはそう思えてならないのです。 今後どうなるかー在宅医療の難しさもう一度確認すると、私の訴えの第一は介護療養病床を残してほしいということです。
それができないのであれば、国が推し進めている転換型老健に、いままでと同じように医療と生活のケアができる報酬をつけてほしいというのが、次の願いです。 「介護療養型医療施設の存続を求める会」の試算では、転換塑老健に移行すると二〇%近い減収となります。
国はスタッフを削減するからこの報酬で十分だと考えているようですが、医者の立場にある人間は患者の命に責任をもたなければならない。 ですから、スタッフを削減するわけにはいかないのです。
現在の介護療養病床の利益率は三・四%しかありませんから、現在のままの人員配置で転換型老健に移行すると大赤字になることは目に見えています。 ですから、いまのままの条件では私の病院を転換型老健にすることはできない。
もし介護報酬を見直してもらえないのであれば、前にもふれたように、個室ユニットケアの方向で模索するしかないだろうと思います。 国民の皆さんは、歳をとるまでにお金を貯めて、ある程度の金額のケア付き有料老人ホームに入ることができれば老後は安心だろうと考えておられるようです。
しかし、それは錯覚なのです。 病院併設のところもあるけれども、多くの有料老人ホームには医者がいるわけではありません。
すぐに往診してくれる体制が整っているかどうかもわかりません。 入居の際に預けるお金の償却をホーム側は五~七年間で計算しています。

つまり、入居したお年寄りは五~七年間で亡くなるか病院に入院するということを前提にしているわけです。 しかも、大金を払って入居した老人ホームではあるけれども、その権利を遺産として遺せるわけではありません。
医療制度改革時、厚生労働省の実質責任者は初代の老人福祉課シルバーサービス振興指導室長などを経て、のちに事務次官となった人物でしたが、彼は民間業者を信じすぎた。 また医者だったら誰でも訪問診療くらいやってくれるだろうと安易に考えすぎるところがありました。
彼の父親が立派な医者だったらしく、往診かばんをもって地域の人たちを診ていた。 だから、そんな幻想をもったのでしょう。
しかし、現実はそんなわけにはいきません。

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